2024年、北米市場向けに新型「日産キックス(KICKS)」が華々しく発表されました。
しかし、日本市場ではいまだに新型導入の正式発表はありません。
なぜ北米では発売されているのに、日本では遅れているのでしょうか?
この記事では、新型キックスの特徴から日本導入が遅れている理由まで、徹底的にわかりやすく解説します。
日産キックスとは?日本市場での立ち位置を再確認
キックスとは?
- 2016年にブラジルで初登場したコンパクトSUV。
- 日本市場には2020年にe-POWER専用モデルとして導入。
- 取り回しの良いサイズ感と電動パワートレインが特徴。
日本市場でのポジション
- トヨタ「ヤリスクロス」、ホンダ「ヴェゼル」などがライバル。
- 都市部ユーザーを中心に一定の人気を獲得。
- しかし、ライバルに比べると「内装の古さ」や「価格割高感」が指摘されてきた。
現行型キックスは、日産らしい走りの良さはあるものの、商品力ではややライバルに劣る状態です。
だからこそ、新型への期待は非常に高まっているのです。
北米仕様の新型キックスはここが凄い!
2024年春、北米向けに正式発表された新型キックス。その進化ポイントを纏めると以下の通りとなります。
外装・デザイン
今までのキックスより、ぐっと“ワイド&ロー”な体型になったのがまず大きな変化。
フロントは巨大なVモーショングリルと細長いLEDヘッドライトで、かなりシャープな顔つき。
サイドも、フェンダーの張り出しが強調されていて、「コンパクトSUV」なのにガチのSUVらしさがすごく出てる。
後ろ姿もルーフスポイラーやテールランプの造形が凝っていて、全体的にスポーティ&上質な印象。
【ボディサイズ感】
- 全長:約4,366mm
- 全幅:約1,800mm
- 全高:約1,628mm
日本の現行キックスより、かなり大きくなってます。
イメージ的には、日本のエクストレイルより少し小さいくらい。
内装・装備
上級グレードなら12.3インチメーター+12.3インチナビ画面がドーンと並ぶ!
しかもエアコン操作系は、物理スイッチもちゃんと残してあって使いやすさも考慮されてる。
質感もかなり上がっていて、ソフトパッドやステッチ仕上げのパネルがそこかしこに使われてます。

パワートレイン(予想)
本命はやっぱりe-POWER
まず大前提として、日本では「ハイブリッド主力化」が加速しています。
環境規制もどんどん厳しくなっていますし、ユーザーも「燃費が良い」「静か」「運転が楽しい」車を求めています。
だから新型キックスも、日本ではe-POWERモデルが中心になるのは間違いありません。
ただし、ガソリンモデル併売の可能性もかなり高いです。
価格帯を広げたいから
e-POWERは高価なので、より安価な「ガソリンエンジン仕様」も設定すれば、若い層や法人需要を狙えます。
競合に対抗するため
ヤリスクロスやヴェゼルは、ハイブリッドとガソリン両方を用意して、幅広い層に対応しています。
e-POWER専売だと、この手の車だと選択肢の幅が狭く、価格競争で他社に売り負ける可能性が大きいです。
つまり、e-POWERだけじゃ価格帯が高止まりしてしまうから、エントリー用に1.6Lクラスのガソリン仕様を用意するシナリオも考えられると思います。
【スペック予想】
パワートレイン種別 | 仕様内容 | 最高出力(予想) | 燃費性能(予想・WLTCモード) | 駆動方式 | 価格帯(予想) |
---|---|---|---|---|---|
ガソリンエンジン仕様 | 1.6L〜1.8L直4自然吸気+CVT | 約120〜135ps | 約15〜17km/L | 2WD(FF)、一部4WD設定? | 約220〜270万円 |
e-POWER(2WD) | モーター駆動+発電用エンジン | 約140〜150ps(モーター出力) | 約20〜23km/L | 2WD(FF) | 約270〜320万円 |
e-POWER e-4ORCE(電動4WD) | 前後モーター駆動+発電用エンジン | 前:約140ps/後:約50ps | 約18〜21km/L | 4WD(電動4WD) | 約320〜380万円 |
なぜ日本では新型キックスが発売されないのか?5つの理由
ここで本題、「なぜ日本導入が遅れているのか?」について詳しく見ていきましょう。
日本市場向けに専用開発が必要
- 日本では「e-POWER」人気が根強い。
- 北米仕様(ガソリンエンジン)そのままでは売れないため、専用パワートレイン開発が必要。
ラインナップ整理の問題
- 日産には既にエクストレイル、アリア、サクラなど人気SUVが存在。
- キックスの立ち位置を再定義する必要がある。
販売台数の見極め
- 現行キックスもヤリスクロスに押され販売苦戦。
- 新型導入コストに見合う市場規模があるか慎重に判断中。
生産体制の都合
-
現行型はタイ生産。
-
新型を日本向け仕様に作るには生産ラインの大幅な見直しが必要。
為替リスクと価格問題
- 円安によりコスト増大。
- 値上げせざるを得ず、競合に勝てないリスクも。
こうした要因が複雑に絡み合い、日産は日本導入に慎重姿勢を取っているのです。
まとめ
日産キックスは、北米で大きく進化を遂げた一方、日本市場導入には慎重な対応を見せています。
その背景には、日本市場特有のパワートレイン需要、SUV戦略の見直し、為替リスクなど複雑な事情が絡み合っています。
しかし、次期型が日本向けにしっかりチューニングされて登場すれば、再びSUV市場で注目を集める存在となるはずです。
電動化技術に磨きをかけた新型キックスが、日本の道路事情とユーザーの期待に応えるかたちで登場すれば、再び日産の底力を印象づける起爆剤となるでしょう。
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