2025年4月22日、日産は約15年ぶりとなる新型「エルグランド」のティザー画像を公開しました。この発表は、フルモデルチェンジを控えたエルグランドの復活を示唆するものであり、ミニバン市場における日産の再挑戦を象徴しています。フルモデルチェンジで新時代に向けてどう舵を切るのか、考察してきたいと思います。
なぜ今、新型エルグランドなのか?
現行E52型は2010年の登場以来、大きな変更なく販売され続けてきました。その間、アルファードやヴェルファイアは数度のフルモデルチェンジを繰り返し、圧倒的なシェアを誇る存在に。
一方のエルグランドは、その存在感を徐々に薄めてしまっておりました。
新中期経営計画「The Arc」では、e-POWER・EVを軸とした電動化戦略を推進。その柱として、プレミアムミニバン市場の取り戻し=新型エルグランドの復活が掲げられていました。
このティザー公開はその布石であり、2025年度中の発表、そして2026年初頭の発売が見込まれています。
ティザー画像から読み取れる新型エルグランドの姿
今回公開されたティザー画像から、以下のポイントが明らかになってきました。
- フロントフェイスは水平基調のVモーショングリル
- 細長いLEDデイライトと大型ヘッドランプユニットで押し出し感抜群
- Dピラー付近の形状は“フローティングルーフ”風
- より伸びやかで安定感あるシルエット
従来型のE52と比べても、明らかに「高級感」と「現代性」を意識した外観に進化しています。
インテリアと快適性
ラージサイズミニバンにおいて、内装の質感こそ、ミニバンの“格”を決める要素です。
予想される装備
- 電動リクライニングシート+オットマン
- セカンドシートまでシートヒーター&ベンチレーション搭載
- シートマッサージ機能の搭載(上位グレード)
シートだけじゃない、五感への配慮が求められる
快適性=シート性能ではありません。以下のような静粛性や細やかな配慮へのアプローチも鍵となります。
- 静粛性:e-POWER搭載ならではの静粛性、遮音ガラス+吸音材での上質な空間演出
- 照明:アンビエントライト+“演出系ライティング”による空間設計
- 内装材質:ファブリックや手触り重視の本革/合皮素材
「自宅のリビングより落ち着く」と思わせる空間作りが、アルファードとの差別化には必須。
センターディスプレイとインフォテインメント
最近のトレンドを踏まえ、以下の装備も予想されます。
- 大型12インチ以上のセンタータッチディスプレイ
- リアシート専用モニター+HDMI/USB-C対応
- Boseなど高級オーディオブランドとのコラボサウンドシステム
- AIによる音声アシスト
- 天井高の確保とサンルーフの大型化
- OTA(Over The Air)アップデートによるソフトウェア常時最新化
日産はアリアやセレナで、インフォテインメント関連に強みを見せているので、新型エルグランドでも期待大です。
予想スペック×ライバル比較
ここでは一足早くスペックを予想してみます。
現行エルグランドは、ライバルに対し”全高”でネガを持っているのは間違いありません。今回のエルグランドでは、ティザー画像からも読み取れるように、この全高をライバル同等程度まで引き上げてくるものと予想されます。
新型エルグランド予想スペック
項目 | 予想スペック |
---|---|
全長 | 約4,980mm |
全幅 | 約1,880mm |
全高 | 約1,930mm |
ホイールベース | 約3,000mm |
パワートレイン | 第3世代e-POWER(1.5L VCターボ) |
駆動方式 | FF / e-4ORCE(4WD) |
モーター出力 | フロント204ps、リア136ps(4WD時) |
予想価格帯 | 600万〜800万円 |
ライバル比較(×アルファード)
項目
|
新型エルグランド(予想) | アルファード(現行) |
---|---|---|
パワートレイン | 第3世代e-POWER(1.5L VCターボ) | ハイブリッド(2.5L) |
駆動方式 | FF / e-4ORCE(4WD) | FF / E-Four(4WD) |
モーター出力 | フロント204ps、リア136ps(4WD時) | フロント120ps、リア54ps(E-Four) |
全高 | 約1,930mm | 約1,950mm |
予想価格帯 | 600万〜800万円 | 500万〜800万円 |
安全装備・運転支援技術
新型エルグランドが技術的な注目を浴びるポイントは、安全装備の進化です。
プロパイロット2.0の搭載
セレナの一部グレードに搭載されているぐらいなので、まずプロパイロット2.0は搭載してくるでしょう。
これで、ライバルに対し“全車速ハンズオフ高速巡航対応”という点でアドバンテージを得ます。
- 高速道路でのナビ連携型自動運転支援(ICの合流や分岐も対応)
- ドライバーが前方を見ていれば、手放し運転OK
- 車線変更も自動判断で支援
後は“手頃に”用意できるか。出来れば中間グレードあたりからラインアップしてほしいものです。
【今後の展望(予想)】発表〜発売スケジュールと戦略まで
- 2025年秋の「ジャパンモビリティショー」でプロトタイプ初公開
- 2025年末〜2026年初頭:市販モデルの正式発表・予約開始
- 2026年春:発売開始予定(全国ディーラー展開)
【まとめ】エルグランドは“王座を復権できるか?
かつての“キング・オブ・ミニバン”エルグランドが、再びその地位に挑もうとしています。
ライバルに比べ、やや遅れを取った日産ですが、今度のフルモデルチェンジはまさに「渾身の一手」。
高級感あるエクステリアデザイン
第3世代e-POWERによる新たな走り
未来志向のインテリア・運転支援技術
これらを武器に、再び王座を奪還出来るかどうか。今後の動向に期待しましょう。
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