ホンダのプレリュードが2001年9月の生産終了から24年ぶりに復活しました。
このプレリュードはX世代にとってはデートカーとして名を馳せた車です。
それが電動化時代の転換期における、ホンダの新たな電動化戦略の「前奏曲(プレリュード)」として復活したわけです。
この巷になってるプレリュードですが、そもそもどんな車なの?
令和の時代におけるデートカーとして、
買いなの?それとも見送りなの?
こんなところから掘り下げて解説したいと思います。
そもそもプレリュードって?
簡単におさらいします。
初代プレリュードの登場は1978年。日本でデートカーという言葉を生み出した「生みの親」で、国産車で初めて電動サンルーフを標準装備した車でもあります。

そして、今回登場した新型プレリュード。
24年の時代を経て、世はまさに大電動化時代。
スペシャリティカーといえど、この時代の波には逆らえず、今回ハイブリッドとして復活したのです。
新型プレリュードのグランドコンセプトは「UNLIMITED GLIDE(アンリミテッド・グライド)」。
グライダーのように大空を舞台に優雅に駆け回るがごとく、優雅に滑走するような高揚感と非日常を感じさせる車として開発された車です。

パワートレインとグレード展開は?
新型プレリュードは、電動化時代におけるホンダの意思を示すように「スペシャリティスポーツハイブリッ」として、ホンダのお家芸である2モーターハイブリッドのe:HEVを進化させて搭載して登場しました。
2.0L直噴アトキンソンサイクルエンジンに2モーターハイブリッドを組み合わせてシステム最高出力は約200馬力を発生。

エンジンは基本的に電気を発生させるためのもので、モーターで駆動して走る電動車です。
低速から中速域、通常走行はモーターで駆動します。
ここでのモーターの最高出力は135kW(184PS)、最大トルクは315Nm(32.1kgfm)と非常にパワフル。
そして高速道路などの定速巡航などのエンジンが最も効率よく稼働できる低負荷領域では、エンジンの力で直接駆動する状態に切り替わります。
うん⁉︎これってフィットとかのe:HEVとかと一緒じゃね⁉︎
そう思われた方!正解です!
ここまでは他のホンダ車と共通のシステム!
でもそこにスポーツ走行を意識した独自の制御や機能が加わります。
それが「Honda S+ Shift」と呼ばれるギミック!
これはモーター駆動なのに仮想の8段変速を創り出し、加減速時にエンジン回転数を緻密に制御するホンダ車初の技術です。
これは走行性能のところで細かくご紹介します!
グレートとカラーバリエーションは?
グレードは1グレードしかない?
あと、気になるグレードは強気な1グレード展開!
<グレード>
標準モデル(PRELUDE FF)
価格:617万9,800円(消費税込)
昨今のグレードが多すぎで困る問題は回避できますが、先代(5代目)に設定があったTYPE S当たりがあれば熱かったのですが…
<カラーバリエーション>

カラーバリエーションは4色展開。その内、3色は白と黒、グレーのモノトーンカラー。有色カラーはレッドのみ。
エクステリアは粋なデザイン?
エクステリアデザインは、「アルピーヌのA110に似てない⁉」と思ったのが初見の印象です。
もっというと、ミッドシップ車なんじゃないのっていうフォルムをしてます。
フロントデザイン

フロントデザイン、低くシャープなフロントノーズにフルLEDヘッドライトが採用され、切れ目で鋭い目つきは好印象です。
ピアノブラック塗装がされているフロントバンパーは、純正でもスポーツカーらしい造形で、「UNLIMITED GLIDE」を象徴するブルーのアクセントが下部に入っています。
サイドビューとプロポーション
サイドビューはクーペフォルムらしく、流麗でエレガント。

でも、要所に走りをイメージさせる要素も入っており、ダミーではないエアアウトレットや、フラッシュアウターハンドル(格納式ドアハンドル)も今回採用されています。
格納式のドアハンドルは、ホンダ車では本当にめずらしく、過去を振り返ってもNSXにしか採用されていない装備。
有名どころでは、日産 GT-Rが有名ですが、これも国産最高峰の車ですよね。
しかも、今回は、キーを持って近づくと自動でポップアップされるので、日常使いにもしっかり配慮されています。

足元に目を移すと、まず目に飛び込むのが、コンセプトカラーをあしらったブルーに塗装されたキャリパー!
直径305㎜のBrembo製ベンチレーテッド2ピースディスクで、ブルーに塗装された4ピストンキャリパーには「PRELUDE」のロゴが入っています。
ここで、タイヤとホイールについても触れておきます。
標準装着されるタイヤは、スポーツ性能と快適性能を両立させたコンチネンタル(Continental)のPremium Contact6。前後ともにサイズは共通で235/40R19。
そして、標準装着されるホイールは、19インチの高剛性ホイールで、ベルリナブラックで塗装されていて、足元が引き締まって見えます。
リアデザインは?スポーツカーらしいグラマラスなフォルム!
最後にリアに目を移しましょう。

リアはスポーツカーらしく、リアフェンダーが張り出していて、グラマラスでセクシーです。
リアのテールランプは一文字で発光し、車がよりワイドな印象に。

ルーフに目を移すと、ルーフモールは廃止され、ガラスプリントアンテナが採用されています。
シャークフィンアンテナのような突起物もなく、クーペフォルムらしい流麗なリアデザインが表現されています。
リアバンパーもピアノブラック塗装が塗装がされており、プレリュードのコンセプトカラーのブルーのアクセントが、リアバンパー下部にも入っています。
そして、歴代のプレリュード(初代から5代目)が、独立した荷室を持つノッチバックであったのに対し、今回からハッチバック(テールゲート式)に変更されています。

ハッチバックの方が、開口部も広いですし、荷物の出し入れもし易いので、より実用的になったと言えますね。
インテリアは…ナビが気になる?
気になるインテリアに目を移しましょう。
プレリュードはクーペながら、後席を備えていて、乗車定員は4名(2名+2名)。
とはいえ、後席はエマージェンシー用。

インテリアは水平基調のインストメントパネルに9インチのGoogle搭載のHonda CONNECTディスプレーが採用されています。
ここで、気になるのがこのナビ!

これまでのホンダのナビが、ルート案内中に自社走行位置を誤認知しやすかったので、Google搭載のナビは、細かい使い勝手を除いては良しとしましょう。
でも、9インチって車格に対しては小さい気がしませんか⁉
アコードでは12.3インチが採用されていますし、他メーカーでも12.3インチが同価格帯の車には採用されているので…。軽量化?車両価格への影響?
あと、インテリアに関する細かいところは、購入に関する注意点で言及します。
購入の決め手になる要素もあるかと思いますので、ぜひご確認ください。
ディーラーの自動車保険は割高です!!
自動車保険は毎年見直しをして、本当に必要な補償だけに絞って加入をするようにしましょう。
保険会社によって、同じ補償内容でも保険料が異なるので、一括見積サイトで必ず他の保険会社の見積(相見積)を取ってください。
<必須>
対人賠償責任保険:無制限
対物賠償性人保険:無制限
<推奨>
無保険車傷害特約・弁護士費用特約・個人賠償責任特約
プレリュードの走行性能は?シビック タイプRとの関連性は?
今回のプレリュード、実はホンダのピュアスポーツであるシビック タイプRが基本ベースになっています。
まず、シャシーコンポーネントはシビック タイプR(FL5)がベースになっています。
ホイールベースはFL5ベースより130㎜短くなって、旋回性能が向上されており、トレッド/ホイールベース比はS2000やNSXと同じ1.6という黄金比に作りこまれています。
今回、プレリュードの価格を聞いて、正直”高いな”と思ったかたもいるでしょう。
でも、それは走りに関する要素に、かなりお金が注ぎ込まれているからなんです。
もっというと、走りに関する部分はシビック タイプR(FL5)のDNAが色濃く受け継がれています。
具体的にみていきましょう。
1.フロントサスペンション
フロントサスペンションは、デュアルアクシス・ストラットサスペンションが採用されています。このややこしい日本語のサスペンションは、コーナリング時のキャンパー変化が少なくなるように設計されたもので、トルクステアを抑制し、操舵性の安定化に貢献してくれるものです。
これは、シビック タイプRと同じものが装備されています。

2.アダプティブ・ダンパーシステム
アダプティブ・ダンパーシステム、いわゆる電子制御ダンパーが搭載されています。これって、国産車ではかなり珍しい装備です。
走るフィールドに応じてサスペンションの減衰力を変化させることができて、快適な方向にもスポーティーな方向にも、走りの味付けを変更可能な装備です。

これも、シビック タイプRゆずり。
もちろん、味付けはプレリュードのキャラに応じてセッティングされています。
<参考にざっくりご紹介>
スプリングレート(バネの硬さ)はシビック e:HEVより約10%硬く設定。
ダンピングレート(減衰力)は、ドライブモード(COMFORT/GT/SPORT)によって、ダンパーの硬さが変わります。
3.アジャイルハンドリングアシスト(AHA)
いよいよ訳が分からない日本語の組合せの機能が出てきました(笑)
簡単に言うと、ハンドル操作した際に曲がりやすくしたり、車の挙動の安定性を高める為の機能のことです。

仕組みとしては、ドライバーがハンドルを切った際に、内側の車輪にブレーキをほんの少しかけることで、車が曲がりやすい方向にスムーズに向くようにアシストしてくれる機能です。これもシビック タイプRにも搭載されいる技術。
マツダ車のベクタリングコントロールにも近いような制御で、プレリュードは従来のホンダ車の曲がっている最中だけでなく、ブレーキングしてコーナーに進入する最中にまで可動範囲が広がって(ホンダ車初)、よりドライバーが気持ちよく走れるように進化したというわけですね。
4.ブレーキシステム
先にも触れましたが、高い制動能力と耐フェード性を持つBrembo社製の大容量のブレーキシステムが採用されています。これは、シビック タイプRと共通の本格装備。

プラスαの技術「Honda S + Shift」
令和の世の中に登場したプレリュード、電動車だから走りの”楽しみ”は諦めて。そんなこと、ホンダが言うわけないですよね。
そこで、「Honda S+ Shift」。これもホンダ車初搭載の新技術。

これは、モーター駆動が主体なのに、ソフトウェア制御で仮想の8段変速を作り出す技術。
そこに、アクティブサウンドコントロールと呼ばれる、エンジン回転数と同調した音をスピーカーから流すことで、車内がエンジン車に乗ってるような気持ちいい空間に。
メーター内のパワーメーターもタコメーターに変更になり、中央にはギア数が表示されます。

そして、パドルシフトで操作をすると、マニュアルシフトのようにシフトアップやダウンがタイムラグなく実行され、まるでクラッチがミートした時のようなわずかなショックも演出されます。しかも、シフトダウン時は、プリッピングしているようなエンジン音まで流れるので、ドライバーは五感で楽しむことが出来るんです。

購入に関する注意点?N-BOXの方が優れている点も…
パワーシートの設定がない
600万円を超えるスペシャリティクーペなのに、電動パワーシートの設定がありません。軽量化と言えば聞こえはいいですが、車のコンセプトを踏まえると、パワーシートは設定があってもよかったのでは⁉
ステアリングヒーター・シートベンチレーションの設定がない
プレリュードはシートヒーターの搭載はありますが、ステアリングヒーターやシートベンチレーションの設定がありません。ステアリングヒーターは昨今では軽自動車でもついるし、車格が下のフィットでも装備しているのに…

サンルーフ/パノラマルーフの設定がない
サンルーフの先駆者であるプレリュード。もちろんサンルーフは搭載されてるよね…。
あれ⁉ 今回、サンルーフの設定はなし。理由は走りとスタイリングを優先したから…。
結果、軽量化と低重心が達成できました!って言われても…通常のグレードでオプションで設定があればいいと思うのは私だけ⁉
マルチビューカメラの設定がない
いわゆる360度カメラの設定はありません。
それは、シビックを基本ベースにしているから。現行のシビックでは、N-BOXでも設定があるマルチビューカメラの設定がないんです。
しかもバックカメラは搭載されますが、解像度がめちゃくちゃ荒いもの。これってどうなの⁉
内装カラーの選択
内装カラーは、基本的にブルー×ホワイト(白内装)での選択になります。
ブルー×ブラック(黒内装)は、外装色:ムーンリットホワイト・パールを選択した場合のみ選択が可能。(白内装か黒内装かを選択可能)
スポーティーを謳うのであれば、黒がメインの方がいいんじゃないの?


2トーンカラーは買えない(設定がない)
プレリュードでは2トーンカラーの設定はありません。
正確には、数量限定で2トーンカラーのムーンリットホワイト・パール&ブラックが販売されました。
でも、2025年9月5日から9月18日までの期間限定受付の限定販売に留まって、新規では注文できません(受付終了)。2トーンって人気なのに、なんで有償カラーでも選べないの!!
まとめ-買い? or 見送り?
個人的には「見送り」です。同じ費用を払うなら、シビック タイプRを買います。
今回、シビック タイプRの価格改定がありました。
標準の「赤×黒」の内装がなくなり、レーシングブラックパッケージのみに。
なんと、その価格が今回のプレリュードとまったく一緒。
だったら5ドアハッチバックで、スポーティーに振り切っているシビック タイプRの方が個人的にはいいなぁ〜と。
でも、プレリュードは間違いなく買っても損はない車です。
しかも、来年のSUPER GTにホンダ陣営はプレリュードでのGT500参戦になるので、そういう意味で、GTファンなら所有満足度は上がりますよね。

月間販売台数は300台、街中で見かけることも中々難しい車にはなってこようかと思うので、他人と車が被るのが嫌っていう人にも刺さるかと思います。
今回登場したプレリュード、ホンダの現行車種では唯一のクーペモデルです。
せっかく登場したプレリュード、是非ともロングライフでホンダには販売をしていって欲しいですね。
ディーラーの自動車保険は割高です!!
自動車保険は毎年見直しをして、本当に必要な補償だけに絞って加入をするようにしましょう。
保険会社によって、同じ補償内容でも保険料が異なるので、一括見積サイトで必ず他の保険会社の見積(相見積)を取ってください。
<必須>
対人賠償責任保険:無制限
対物賠償性人保険:無制限
<推奨>
無保険車傷害特約・弁護士費用特約・個人賠償責任特約


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