昨日、衝撃のニュースが入ってきました。
なんと、2026年度のSUPER GT GT500における日産の参戦体制が4台から3台体制へ縮小になるというものです。
例年であれば、日産のモータースポーツ体制発表は年明け1月。それが今年は、ライバルであるトヨタ・ホンダよりも一足早い段階で明らかになったという、異例のタイミングでもありました。
いったい日産はどんな体制で2026年シーズンを戦おうとしているのか。
本記事では、発表された参戦体制の詳細だけでなく、今後の見通しを含め解説を致します。
2026年シーズン参戦体制

| No. | チーム | チーム監督 | ドライバー |
|---|---|---|---|
| 12 | TEAM IMPUL |
星野 一義(総監督) 星野 一樹(監督) |
平峰 一貴 ベルトラン・バゲット(ベルギー) |
| 23 | NISMO | 松田 次生 |
千代 勝正 高星 明誠 |
| 24 | KONDO RACING | 近藤 真彦 |
名取 鉄平 三宅 淳詞 |
3台体制になった背景
日産自動車/NMCは、2009年以降続いた4台体制を、約15年ぶりに3台体制へ削減することを決断しました。
この背景には、2023年に発表した事業構造改革「Re:Nissan」があり、固定費・変動費を大幅に削減する方針のもと、モータースポーツ活動も見直されたことが大きな要因とされています。実際、GT500プログラムの規模縮小は以前から噂されており、2025年シーズン中にはパドックでも話題になっていました。
また、ワークス直系の育成プログラム枠であったNDDPが、2026年シーズンには参戦しないことが決まりました。
これに伴い、24号車のベテランドライバーだった松田次男選手が23号車の監督に、その24号車の穴をうめるべく三宅敦詞選手が移籍するという形になりました。3号車の片腕である佐々木大樹選手の去就は現段階で不明です。
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2026年シーズンの見通し
トヨタはGRスープラで6台、ホンダはプレリュードGTで5台、日産はZ GT500で3台、といった構図でシーズンを迎えることになりそうですが、3メーカー「三つ巴」でシーズンは幕を開けるのでしょうか…。

日産陣営
まず、日産の「3台体制」はレース展開においては不利といわざるを得ないでしょう。
例えば、3台で出走していて、そのうち1台がアクシデントで脱落した場合――。
残りは2台となり、その時点でメーカーのポイント獲得機会は大きく低下します。
生存率が下がり、得点チャンスが目減りするのは明白です。
さらに開発面でも不利になります。
レースで得られるデータ量は台数に比例しますから、4台から3台になれば、25%のデータが失われる計算です。
車両開発やタイヤテストにおける検証サイクルが遅れ、セッティング精度にも影響が出るでしょう。
それでも日産は、あえて3台体制へと舵を切りました。
これは言い換えれば、「量より質」へ戦略を振り切った決断です。
限られたリソースを分散させず、勝てる3台に集中投資する。
チーム間の団結力と開発効率を最大化し、少数精鋭で勝負に挑む――その覚悟が伺えます。
そして日産の象徴である23号車には、2025年シーズン最終戦まで現役最年長ドライバーとしてGT500を戦ってきた松田次生が監督として就任。
現役トップレベルの目線を持つ新監督の誕生は、ドライバーとチームスタッフの関係をより強固にし、現場力を大きく引き上げるはずです。
松田監督はGT500では新人ですが、スーパーフォーミュラで監督実績もあり、マシンセッティングやタイヤ運用、レースマネジメントに対する知見は折り紙つき。
“チャンピオンロードを知る人間が日産の最前線に立つ”、そういう意味では日産の王者奪還への明るい兆しも見え隠れしているといえるでしょう。
トヨタ陣営
一方、この何年間で頭一つ抜けた存在となっているのがトヨタ陣営。
au TOM’Sによる史上初の3連覇に象徴されるように、成績上位チームの大半をトヨタが占めており、その強さは群を抜いています。
2020年にGRスープラを投入して以来、この5年間の間でマシンの熟成が進み、他メーカーを圧倒するコーナリング性能とレースペースの速さは他を寄せ付けていません。
そして、6台体制という圧倒的ボリューム。
多くのデータを基に開発を進めることができるうえに、戦略の幅も広く、トラブルがあってもチーム全体としてポイントを積み上げられる盤石な体制です。
「性能×台数×実績」の三拍子が揃うトヨタ陣営。
2026年シーズンも引き続き王者の最有力候補であることは間違いありません。
ホンダ陣営
最後に、ホンダ陣営。
GT500では、3メーカーの中で唯一、2026年にベース車両の変更をして挑むことになります。
これまで使用していたシビック Type R GTでは、5ドア市販車がベースゆえの車体ハンデを抱えていました。
高速域のドラッグ増加やコーナリング時のダウンフォース不足など、各レースで苦戦をしていたのは一目瞭然です。
それが、2026年から2ドアクーペ形状の新マシンに切り替わるのですから、空力面では確実に改善が見込め、全体的な走行性能の底上げにも直結してくるはずです。
ただ、過去のレースシーンを振り返ると、新車投入はチャンスと同時にリスクでもあります。
セッティングの粗さ、耐久性、突発的なトラブルのリスク。
熟成の時間が必要であることは、SUPER GTの歴史がそれを証明しています。
それでも、今回のホンダは間違いなく台風の目の一角。
ニューマシンで挑むホンダ陣営は、2026年のSUPER GT勢力図を大きく揺さぶることになるでしょう。
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2026年シーズン、共に応援していきましょう!
2026年シーズン SUPER GTのトピックス
空力開発の一時解禁
2026年シーズンのGT500クラスでは、空力開発規定に大きな転機が訪れます。
この年のみ、エアロアップデートが自由に認められる一方、その後の2027年~2029年の3シーズンは開発が凍結されます。
さらに、今後の展望では、
早ければ2030年から次世代GT500規定が始める見通しに。
つまり2026年は、GT500マシンを大幅進化させられるラストチャンスになります。
各メーカーが、これまで蓄積してきた開発成果を一気に爆発させる「集大成のシーズン」になることは間違いありません。
エンジン搭載数制限「2基→1基」
2026年シーズンより、GT500クラスのシーズン中のエンジン搭載数が「2基→1基」に制限されます。
これは、単なるコスト削減や環境負荷低減を目的とした規制強化というだけでなく、耐久性と安定性を推し進める一環の一つになります。
これにより、各メーカーは「エンジンを守りながら、速さをどう維持するか」といった新たな課題に直面することになります。
2026年のGT500は、技術力とマネジメント力が試されるシーズンとなるでしょう。
まとめ
日産のワークスチームであるNISMOの参戦が1台になり、GT500クラスの出走台数も4台から3台へ――。
このニュースは、多くのファンにとって衝撃的だったのではないでしょうか。
実際、直近10年間で日産陣営がシリーズチャンピオンを獲得したのは、2022年のTEAM IMPULの一度きり。
| 年 | 優勝メーカー | 優勝チーム |
|---|---|---|
| 2016 | トヨタ | LEXUS TEAM SARD |
| 2017 | トヨタ | LEXUS TEAM KeePer TOM’S |
| 2018 | ホンダ | TEAM KUNIMITSU |
| 2019 | トヨタ | LEXUS TEAM WAKO’S 4CR |
| 2020 | ホンダ | TEAM KUNIMITSU |
| 2021 | トヨタ | TGR TEAM au TOM’S |
| 2022 | 日産 | TEAM IMPUL |
| 2023 | トヨタ | TGR TEAM au TOM’S |
| 2024 | トヨタ | TGR TEAM au TOM’S |
| 2025 | トヨタ | TGR TEAM au TOM’S |
一方で、2011年・2012年、そして2014年・2015年には2年連続王者に輝き、まさしく「最強」の二文字にふさわしい存在でした。
その強さには、マシンのポテンシャルやタイヤとの高いマッチングなど複数の要因がありましたが、ここ数年は開発リソースの分散により、思うように車両進化を続けられなかったことが大きな課題だったと言えるでしょう。
なので、「少数精鋭で3台に集中投資する」は日産としては賢明な判断だったと思います。
2026年シーズンの開幕まで、まだ時間は残されています。
IMPUL・NISMO・KONDO。
この3チームが同じ方向を向き、ニューマシンのポテンシャルを最大限に引き出すことができるか。
そして、松田次生監督が新生NISMOをどう導いていくのか。
シーズンオフのテストから、すでに各メーカーの戦いは始まります。
2026年シーズン、日産の逆襲に大いに期待しましょう。

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