マイチェン後 エクストレイル 「NISMO」と「AUTECH」どっち選ぶ?

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読了時間:約 4 minutes

日産の大人気車種「エクストレイル」がマイナーチェンジを実施しました。
そこで新しく設定されたのが、「NISMO」と「AUTECH SPORTS SPEC」、そして「ROCK CREEK」。
中でも、「NISMO」と「AUTECH SPORTS SPEC」は、内外装もスポーティーに仕立てられ、走りにも磨きがかかったグレードです。
「どちらを選んでいいかわからない」、と悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

結論、見た目にも分かりやすいスポーティーさ、サーキット由来の走行性能を楽しみたい方は「NISMO」、
上質さと爽快な走りを両立させたい、しかも乗り心地は妥協したくないという方は「AUTECH SPORTS SPEC」。

でも、これだけ言われても、あまりイメージがわかないですよね。
安心してください!標準グレード(G e-4ORCE)を一部交えながら、それぞれのグレードを徹底比較します!

  1. 専用装備を比較!!
    1. Advanced Packageとは?NISMO・AUTECH SPORTS SPECの装備をさらに引き上げる上位仕様
      1. NISMO Advanced Package e-4ORCE<NISMO専用の上位グレード>
        1. 追加装備
      2. AUTECH Advanced Package e-4ORCE<AUTECH(無印)のメーカーセットオプション>
        1. 追加装備
  2. 「エクステリアってこんなに違いがあるの?」
    1. フロントマスク
    2. サイドビュー
    3. リアビュー
      1. AUTECHとAUTECH SPORS SPECとの外装の違い
  3. 「内装・装備比較」
    1. NISMOのインテリア
      1. BOSE Premium Sound Systemと同時装着が装着できない
      2. ランバーサポートやシートメモリーが非装備
      3. Nissan Connectサービスの一部に制限が入る
      4. AUTECH SPORTS SPECのインテリア
        1. AUTECHとAUTECH SPORS SPECとのインテリアの違い
  4. 肝心の走行性能は⁉
    1. 加速フィーリング
    2. 「e-4ORCE」の制御にミソが!
    3. 専用サスペンションで意外にも乗り心地はマイルド⁉
  5. 今回のマイナーチェンジでよくなった点は?悪くなった点もある⁉
    1. よくなった点
      1. 新デザインのフロントグリル採用
      2. デイタイムランニングライトの採用
      3. ボディ下部パーツのグロスブラック化
      4. リアウインカーのLED化
      5. インフォテイメントシステムにGoogle搭載
        1. Googleアシスタントによる音声操作
        2. メーター内への地図常時表示が可能に!
        3. リアルタイムの交通情報を活用できる
      6. アラウンドビューモニターの進化
        1. 3Dビュー機能
        2. インビジブルフードビュー(床下透過表示機能)の追加
        3. フロントワイドビュー
        4. 地点登録機能
    2. マイナーチェンジでの改悪⁉そしてあの機能は搭載されなかったの⁉
      1. マイナーチェンジ後の改悪内容
        1. シーケンシャルウインカーの廃止
        2. 後席トリプルゾーンエアコンの廃止
        3. ナビリンク機能付きのプロパイロットが廃止
      2. この機能は搭載してほしかった「2選」
        1. シートベンチレーションの不採用
        2. 灯火類の一部がバルブ(豆球)のまま
  6. まとめ-気になる価格は⁉-

専用装備を比較!!

項目NISMOAUTECH標準グレード(G-e4ORCE)
コンセプト「より速く、気持ちよく、安心して」走れる情熱体験をもたらすグランドツーリングSUVプレミアムスポーティ。上質さと爽快なロングドライブの両立デザインと先進技術をアップグレード。力強さと洗練さを磨き上げた上級標準グレード
駆動・サスペンションNISMO tuned e-4ORCE(SPORT時後輪配分最大約70%)
KYBスイングバルブ付ショック、専用VCM、専用EPS、専用ドライブモードセレクター
AUTECH専用e-4ORCE(加速チューニングはNISMO同等)
パフォーマンスダンパー®、専用ブレーキ制御、専用VCM、専用EPS、専用ドライブモードセレクター
標準e-4ORCE、標準サスペンション、標準EPS
タイヤ/ホイールENKEI製20インチ(8.5J)+Michelin Pilot Sport EV 255/45R20 105W XL(アリアNISMO採用済の高性能タイヤ)20インチダークグラファイト(8J)+Michelin Primacy 4 255/45R20 101V標準18インチ(オプション19インチ)
ハンコック Ventus S1 evo3 SUV
外装デザイン専用エアロ(フロント/リアバンパー15mm延長)、レッドアクセント、中央リヤLEDフォグ、ブラックルーフレールドットパターン専用グリル、メタル調プロテクター、ブルーシグネチャーLED、シルバールーフレール&ドアミラーVモーション新デザイン、バンパー・フェンダーアーチをグロスブラック化、DRL新装備
内装ブラック基調+レッドステッチ、赤センターマーク付ステアリング、赤プッシュスタート
RECAROスポーツシート(レザー/アルカンターラ)※OP
ブラック基調+ブルーステッチ、専用本革キルティングシート(AUTECH刺繍)、ダークウッド調パネル、「TUNED BY NMC」エンブレムナッパレザーシートOP(チェスナットブラウン)、新デザインステアリング、ブラウン木目調パネル
先進装備Google搭載NissanConnect、3Dビュー対応アラウンドビューモニターGoogle搭載NissanConnect、3Dビュー対応アラウンドビューモニターGoogle搭載NissanConnect、3Dビュー対応アラウンドビューモニター
シート仕様2列(5人乗り)のみ2列のみ(AUTECH無印は3列可)2列または3列(7人乗り選択可)
注意事項RECARO装着時はBOSE Premium Sound同時不可

意外にも、同じ車種なのに、グレードによってここまで違いがあるのか!!というぐらい違っています。そこに、日産のエクストレイル」に対する”こだわり”を感じますよね。

Advanced Packageとは?NISMO・AUTECH SPORTS SPECの装備をさらに引き上げる上位仕様

NISMO Advanced Package e-4ORCE<NISMO専用の上位グレード>

追加装備
  • ナビ&3Dアラウンドビューモニター:Google搭載12.3インチナビ+3Dビュー機能
  • 電源関連:100V AC電源(1500W)、USBポート増設、ワイヤレス充電
  • 安全系:SOSコール機能付きプロパイロット緊急停止支援

AUTECH Advanced Package e-4ORCE<AUTECH(無印)のメーカーセットオプション>

追加装備
  • ヘッドアップディスプレイ:フロントガラスにナビ・プロパイロット情報を投影
  • アダプティブLEDヘッドライト:自動配光で夜間走行をサポート
  • BOSE Premium Sound(9スピーカー)
  • ハンズフリーオートバックドア
  • シートポジションメモリー
  • 100V AC電源(1500W)

AUTECH SPORTS SPECにはAdvanced Package e-4ORCEは標準装備

でも、NISMOってなんとなくスポーティテイストに仕上げている車だよね、AUTECHってプレミアムで且つスポーティな車だよね、みたいに何となくキャラが想像が出来ちゃいますよね。

大丈夫です。細かな違いも含めて掘り下げていきます。それでは、外装からそれぞれの特徴をみてみましょう!

「エクステリアってこんなに違いがあるの?」

フロントマスク

今回、標準グレードもかなり高級感がアップし、洗練された見た目にブラッシュアップされました。
その中で、NISMOは「NISMO」ならではの走りを予感させるデザイン、AUTECH SPORTS SPECは上質的でアーバンスタイルな見た目をしています。

出典「日産自動車株式会社:エクストレイル NISMO」
出典:「日産自動車株式会社:エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC」

まずは「NISMO」。横基調のグリルデザインで、左右を貫通するようにダークメッキのパーツがおごられています。空力性能を追求したフロントバンパー、NISMOの象徴であるレッドラインがリップ部に入って、NISMOのロゴも相まってやる気に満ちたルックスをしています。
一方で、「AUTECH SPORTS SPEC」は、湘南の海をモチーフにしたドットパターンのグリルデザイン、そこにAUTECHのロゴが入り、バンパー下部にはメタル調フィニッシュのプロテクターが装備され、ワイドで上質な印象。
また、「AUTECH SPORTS SPEC」はブルーに光るLEDがヘッドライトが装着され、AUTECHシリーズであることが一目瞭然ですね。

ここでボディーカラーにも触れておきましょう。
「NISMOで選択できるボディーカラー」

  • NISMOステルスグレー/スーパーブラック 2トーン〈NISMO専用色〉〈特別塗装色〉
  • カーディナルレッド(CPM)/スーパーブラック 2トーン〈NISMO専用色〉〈特別塗装色〉
  • プリズムホワイト(3P)/スーパーブラック 2トーン〈特別塗装色〉
  • プリズムホワイト(3P)〈特別塗装色〉
  • ダイヤモンドブラック(P)〈特別塗装色〉
  • ダークメタルグレー(M)

「AUTECH SPORTS SPECで選択できるボディーカラー」

  • ディープオーシャンブルー(P)/ダイヤモンドブラック(P)2トーン〈AUTECH専用色〉〈特別塗装色〉
  • ステルスグレー(P)/ダイヤモンドブラック(P) 2トーン〈AUTECH専用色〉〈特別塗装色〉
  • カーディナルレッド(CPM)/ダイヤモンドブラック(P) 2トーン〈AUTECH専用色〉〈特別塗装色〉
  • プリズムホワイト(3P)〈特別塗装色〉
  • ダイヤモンドブラック(P)〈特別塗装色〉
  • ディープオーシャンブルー(P)〈特別塗装色〉
  • ダークメタルグレー(M)

サイドビュー

出典「日産自動車株式会社:エクストレイル NISMO」
出典:「日産自動車株式会社:エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC」

サイドビューで目を引くのは足元のホイール。どちらも20インチのタイヤ&ホイールを装着しているので、足元にはかなり迫力があります。(標準グレードは18インチ。オプションでも19インチ)
NISMOは8.5J、AUTECH SPORTS SPECは8Jとなり、NISMOの方はワイドリム化されています。
ホイールは、NISMOは5本スポークで力強いデザイン、AUTECH SPORTS SPECはAUTECHの「A」をモチーフにしたエレガントなデザイン。
NISMOはフロントマスク同様、サイドシル・ドアミラーにもレッドライン、ルーフレールはブラック。
一方、AUTECH SPORTS SPECは、サイドシルはグロスモールとダーククロムフィニッシャーが装着され、ドアミラーはメタル調フィニッシュ、ルーフレールはシルバーとなっていて、キャラの差別化が図らています。

<エクストレイル NISMOにおすすめのホイール>
RAYS gramLIGHTS 57FXZ

「日産自動車株式会社:エクストレイル NISMORAYS gramLIGHTS 57FXZホイール装着例 」

リアビュー

出典「日産自動車株式会社:エクストレイル NISMO」
出典:「日産自動車株式会社:エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC」

最後にリアビューを見てみましょう。
NISMOは、レッドラインが入った専用リアバンパー、そしてバンパー中央には他車種のNISMOグレードとも共通するLEDリアフォグが装着されています。
AUTECH SPORTS SPECは、フロント同様にメタルフィニッシュの専用プロテクターが装備され、どちらも特別なモデルであることは一目瞭然です。

エクステリアは、NISMOはやはり攻撃的でやる気に満ちた印象AUTECH SPORTS SPECプレミアムスポーティに相応しい落ち着いた印象を受けますね。

AUTECHとAUTECH SPORS SPECとの外装の違い

ここで、AUTECH SPORTS SPECに関しては、マイナーチェンジ前からあるAUTECH(無印)と比較しておきます。
結論、外観における違いは以下の2点のみ。

  • ホイール
  • リアのエンブレム

ホイールは、同じデザインのホイールとなりますが、AUTECH SPORTS SPECの方は、仕上げがダークグラファイトフィニッシュとなり、足元が引き締まりよりスポーティに。
そして、リアに付くエンブレムは、「AUTECH」エンブレムに加えて、「AUTECH SPORTS SPEC」エンブレムが装着されます。

出典:「日産自動車株式会社:エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC」
出典:「日産自動車株式会社:エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC」

その他、専用フロントグリル、メタル調フィニッシュのプロテクターは、通常の「AUTECH」グレードと共通です。
なので、「走りはそこまで拘りません」、「見た目は落ち着いたプレミアムスポーティな印象にしたいです」っていう人は、従来から設定のある「AUTECH(無印)」を選んでもいいかと思います。

「内装・装備比較」

内装もNISMOならでは、AUTECH SPORTS SPECならでは独自路線が展開されています。さっそく見ていきましょう。

NISMOのインテリア

まずは、NISMOのインテリアからみていきましょう。NISMOのインテリアは「走るための機能美と高揚感」がテーマです。レースで勝つために作られた車のDNAがすみずみまで息づいています。

出典「日産自動車株式会社:エクストレイル NISMO」

黒を基調した中に、NISMOらしい赤のアクセントが散りばめらています。ステリングセンター上部には赤のセンターマークがあり、エンジンスタートボタンも赤く彩られています。パネルやセンターコンソールにもレッドステッチが施され、センターコンソールにはNISMOのエンブレムが入っています。
特に、ドライバーが常に触れるシートには差別化が色濃く反映されています。

出典「日産自動車株式会社:エクストレイル NISMO」

NISMOの標準シートです。専用のファブリックと合成皮革のコンビシートです。標準シートでも、サイドサポートがしっかりしていて、レッドステッチが施されています。

また、オプションでRECAROシートも選択可能です。オプションの中でも「NMCオプション」。
NMCオプションってなんじゃそりゃっ?
結論、メーカーオプションみたいなものです。日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社(NMC)が工場で装着するので、注文時にしか頼めないオプションです。費用は48万9500円(税込)
RECAROシートはアルカンターラを使用しているため、見た目も座り心地も申し分なく、急カーブでも体が左右にぶれにくく、お尻や肩もしっかりホールドしてくれます。


出典「日産自動車株式会社:エクストレイル NISMO」


ただし、RECAROシートを選択する際には注意点がいくつかあります。

BOSE Premium Sound Systemと同時装着が装着できない

9個のスピーカーを備えたBOSE Premium Sound Systemが装着できなくなります。
最高のドライビングシートを取るか、最高のオーディオ環境を取るかの2択になってしまいます…。

参考出典「日産自動車株式会社:エクストレイル 」

ランバーサポートやシートメモリーが非装備

これはRECAROを求める人はあらかじめ納得されるかとは思いますが。
でも意外や意外、前後スライドこそ手動ですが、リクライニングは電動です!

Nissan Connectサービスの一部に制限が入る

スマートフォンアプリから乗車前に「乗る前エアコン」という便利機能があります。
これは、冬の寒い日に、「乗る前エアコン」を使えば、運転席・助手席のシートヒーターを遠隔操作できるというものです。
でも、この機能がRECAROシートを選択すると使えなくなります。Googleの音声コマンドにも非対応。
ただ、RECAROシートを選択してもシートヒーター自体は搭載されております。ただ、従来からあるボタン式になるので、先進装備感が満載のエクストレイルには不釣合いと思うのは私だけ。。。
※標準シート装着車は、標準車同様にエアコン操作部周りに配置されます。

参考出典「日産自動車株式会社:セレナ(C27)」

<エクストレイル NISMOにおすすめのホイール>
RAYS gramLIGHTS 57FXZ

「日産自動車株式会社:エクストレイル NISMORAYS gramLIGHTS 57FXZホイール装着例 」

AUTECH SPORTS SPECのインテリア

出典「日産自動車株式会社:エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC」

AUTECH SPORTS SPECのインテリアのテーマは「この上ない爽快なロングドライブ」です。「プレミアムスポーティ」らしく、上質な素材と丁寧な仕立てにこだわっていて、湘南の海を思わせるブルーのアクセントが爽やかな彩りを加えています。

出典「日産自動車株式会社:エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC」

ドアを開けると飛び込んでくるのが高級そうなシートです。美しい本革のシートで、背もたれには「AUTECH」の刺繍。そして、シートの表面にはさざ波をイメージしたキルティング加工が施され、見た目にも高級感があふれています。
ダッシュボードにはダークウッド調のパネルが採用され、センターコンソールには特別チューニングが施された証である「TUNED BY NMC」の専用エンブレムが輝いています。

出典「日産自動車株式会社:エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC」

また、NISMOではRECAROシートを選択すると装着できなかった、 BOSE Premium Sound System(9スピーカー)はオプションで選択可能です。

AUTECHとAUTECH SPORS SPECとのインテリアの違い

AUTECH(無印)とAUTECH SPORS SPECの違いはたった1点のみ。
先ほども紹介したようにAUTECH SPORS SPECには、センターコンソールの「AUTECH」のエンブレムの下に「SPORTS SPEC TUNED BY NMC」のエンブレムが装着されますが、AUTECHの方では「AUTECH」のエンブレムのみになります。
こちらが唯一にして最大の違いとなります。

肝心の走行性能は⁉

NISMOもAUTECH SPORTS SPEC共に、期待するのは標準車に対する走行性能ですよね。
特に、NISMOはモータースポーツで培った知見のフィードバックが歴代モデル投入されているので、エクストレイルというSUVにどう反映されるかが気になるところです。

加速フィーリング

日産の看板技術「e-4ORCE」。NISMOとAUTECH SPORTS SPECはどちらもこの「e-4ORCE」のみの設定となります。(AUTECH(無印)はAUTECH Advanced Packageで2輪駆動を選択可能)

発電用の1.5VCターボエンジンと前輪204馬力、後輪136馬力のツインモーターというパワースペック自体は、標準車含め共通です。
でも、その制御は全くの別物。

加速のチューニング(VCM)は、NISMOとAUTECH SPORTS SPECで共通のものが取り入れられてます。専用のチューニングが施され、アクセルを踏み込んだ際のモーターの反応やトルクの立ち上がり方が標準車と異なり、リニアで伸びのある加速が実現されています。特に、「AUTO」モードや「SPORT」モードでは、標準車に対し、後輪への駆動配分を高める設定になっていて、前輪だけでなく後輪からも強く押し出される感覚が強くなり、よりダイレクトで気持ちいドライブフィールにも貢献しています。

「e-4ORCE」の制御にミソが!

キャラクターを決める一番大きな要素が「e-4ORCE」です。
NISMOとAUTECH SPORTS SPECの違いはこの「e-4ORCE」の制御の違いに色濃く表れているんです。
でも、その前に履いているタイヤの違いから。

まず、NISMOはアリアNISMOなどにも採用されている高性能スポーツタイヤ「PILOT SPORT EV」。
<タイヤの仕様>

  • 銘柄: MICHELIN PILOT SPORT EV
  • サイズ: 255/45R20 105W XL

そして、AUTECH SPORTS SPECが装着するのは、ミシュランのプレミアムコンフォートタイヤである「PRIMACY 4」です。

<タイヤの仕様>

  • 銘柄: MICHELIN PRIMACY 4
  • サイズ: 255/45R20 101V

どちらも大径タイヤである20インチを履いており、NISMOは8.5J、AUTECH SPORTS SPECは8.0JとNISMOはより太いワイドリムを採用。タイヤの接地面積を広げることで、PILOT SPORT EVが持つ高いグリップ性能を最大限に引き出し、コーナンリグ時の「踏ん張り」を効かせています。

そして「e-4ORCE」の制御の違い。NISMOはモータースポーツで得た知見を最大限活かし、「曲がる4輪駆動」を体現しているんです。
それが「NISMO tuned e-4ORCE」。

出典「日産自動車株式会社:エクストレイル NISMO」

具体的には、ドライブモード「SPORT」選択時、後輪への駆動配分を70%近くまで引き上げられます。そうすると、コーナーを曲がる際、アクセルを踏み込むほどに内側へグイグイ切れ込んでいくFR車のような動きに!
「AUTO」モードでも後輪への駆動を高めるチューニングが施されているので、日常使いで交差点の右左折時なんかにも安定感が増しています。

一方で、AUTECH SPORTS SPECの制御もNISMOと同じ加速チューニングと駆動力配分が採用されています。ただ、コンフォートタイヤである「PRIMACY 4」に合わせて、ブレーキ制御がチューニングされています。具体的には、旋回時に内側のブレーキを積極的に使うことで、車両をスムーズに曲がりやすくしています。そこに組み合わされるミシュラン「PRIMACY 4」とパフォーマンスダンパーの働きとの相乗効果で、20インチの大径タイヤを履いているにも関わらず、非常に優しくフラットな乗り心地を再現しています。

専用サスペンションで意外にも乗り心地はマイルド⁉

日産として初採用となるKYB(カヤバ)制のスイングバルブ付きショックアブソーバーを装着。これは、NISMOもAUTECH SPORTS SPEC共に共通。このショックアブソーバーは、路面の状況に応じて減衰力を変化させ、乗り心地と操縦安定性を両立させる優れもの。この共通パーツを、NISMOとAUTECH SPORTS SPECでスプリングを含めて味付けを変えているんです。

NISMOは、「より速く、気持ち良く、安定して」走るために、スポーティーで引き締められたセッティングで、ロールを抑え、路面に吸い付くような設置感の高い走りを実現しています。

それと対照的に、AUTECH SPORTS SPECは、リアに装着されるパフォーマンスダンパーと相まって、しなやかで優しい乗り心地を重視したセッティングが施されています。大きな段差を乗り越えても、その衝撃を巧みにいなし、不快な突き上げを感じさせません。

出典「日産自動車株式会社:エクストレイル AUTECH SPORTS SPEC」

ちなみに、AUTECH(無印)は基本的に標準車と走りに関する要素は共通。タイヤが標準車が18インチ(オプションで19インチ)に対し、AUTECH(無印)は20インチのミシュラン「PRIMACY 4」が採用されてますが、あくまでエクステリアとインテリアに特別な装備を施し、プレミアム感を高めたカスタムカーであることに留まるので、走行性能に関するメカニズムは標準車と基本的に共通です。

NISMOとAUTECH SPORTS SPEC、両モデルともにそれぞれのブランドが目指す理想の走りをタイヤや制御、そして専用のハードウェアを組み合わせています。どちらが良いとか悪いとかではなくて、どちらの走りに心が動かされるか。見た目やインテリアの違いもありますが、走りにの味付けも同じ車種でも差別化が明確に図られているので、ぜひ試乗をして自身の感性に合う1台を見つけたいものです。

今回のマイナーチェンジでよくなった点は?悪くなった点もある⁉

よくなった点

新デザインのフロントグリル採用

新デザインのフロントグリルが採用されて、Vモーショングリルがよりシンプルな横基調のデザインに変更。グロスブラック(ピアノブラック)の塗装範囲も拡大して、より洗練された上質な印象になりました。

参考出典「日産自動車株式会社:エクストレイル 」

デイタイムランニングライトの採用

オプションでもマイナーチェンジ前では搭載がなかった、デイタイムランニングライトが標準装備になり、日中での被視認性が向上し、見た目の先進性も向上しました。

ボディ下部パーツのグロスブラック化

これまで樹脂素地だったホイールアーチやサイドシルなどの下回りパーツが、上級グレード(Gグレード)でグロスブラック塗装に。グロスブラック塗装で一気に高級感が増しました。

リアウインカーのLED化

前期型ではリアウインカーは豆球(バルブ)でしたが、今回のマイナーチェンジでLED化されました。
ただ、エクストレイルの灯火類が全てLEDになったかというと…。これは後ほど。

インフォテイメントシステムにGoogle搭載

NissanConnectインフォテインメントシステムにGoogleがビルトイン!NissanConnectサービス(有料)やスマートフォンのテザリングを使って、インターネットに接続されている事で、常に最新の地図でルート案内を受けることが可能に。その他にも、Google搭載によるメリットがテンコ盛り!

参考出典「日産自動車株式会社:エクストレイル 」
Googleアシスタントによる音声操作

Googleアシスタントが搭載されているので、「OK Google」と話しかけるだけで、目的地を入力出来たり、エアコンの温度調整をすることが可能です。

メーター内への地図常時表示が可能に!

マイナーチェンジ前ではルート案内中でしか表示できなかった地図が、運転席のメーターディスプレイに常時表示できるように!

リアルタイムの交通情報を活用できる

Googleマップ搭載なので、渋滞や通行止めなどの交通情報がリアルタイムで反映!最適なルートガイダンスでストレスフリーに!

アラウンドビューモニターの進化

3Dビュー機能

車両をまるで上空から見下ろしたような、立体的(3D)な映像をナビ画面に表示させることが出来るように。白線や縁石、周囲の障害物までの距離がより直感的に把握出来るように。

参考出典「日産自動車株式会社:エクストレイル 」
インビジブルフードビュー(床下透過表示機能)の追加

フロントカメラが捉えた映像を一時的に記憶し、それを合成することで、まるでボンネットやエンジンルームが透けて、その下の路面が見えるかのような機能です。前方の障害物が確認出来たり、エクストレイルならでは、山道なんかの荒れた悪路でも、前方の状況を確認しながら走行できるので安心です。日産の国内モデルでは初搭載の機能。

参考出典「日産自動車株式会社:エクストレイル 」
フロントワイドビュー

見通しが悪いT字路や駐車場から道路に出る際などで、フロントカメラの映像をより広角に映し出してくれる機能です。運転席から視覚となる曲がり角で、自転車が近づいてきている場合でも、フロントワイドビューではきっちり映し出しされています。

参考出典「日産自動車株式会社:インテリジェント アラウンドビューモニター 」
参考出典「日産自動車株式会社:インテリジェント アラウンドビューモニター 」
地点登録機能

例えば、自宅の駐車場から見通しの悪い道路に出る際に、そこの地点を登録しておくと、自動的にワイドフロントビューのカメラ映像を表示させる機能。自動でワイドフロントビューが立ち上がるのは安全で便利!

マイナーチェンジでの改悪⁉そしてあの機能は搭載されなかったの⁉

マイナーチェンジ後の改悪内容

シーケンシャルウインカーの廃止

Gグレード以上とAUTECHで搭載されていたシーケンシャルウインカーが、マイナーチェンジ後から通常の点滅タイプに変更となりました。高級感という意味では、シーケンシャルウインカーの方が質感が高かったのでは…。

後席トリプルゾーンエアコンの廃止

Gグレード以上とAUTECHで搭載されていた後席トリプルゾーンエアコンもマイナーチェンジ後で廃止に。エアコンの吹出口こそ残れぞ、これはさすがに改悪では…。

ナビリンク機能付きのプロパイロットが廃止

これはGoogle搭載の大きな代償と言えるかもしれません。前期型のプロパイロットでは、純正ナビの地図情報と連動して、カーブの手前で減速してくれるプロパイロットが搭載されていました。ただ、今回のマイナーチェンジでGoogleが搭載されたことで、ナビリンク機能付きのプロパイロットは廃止に。高速道路での運転支援における快適性は劣ってしまったと言わざるを得ません。

参考出典「日産自動車株式会社:プロパイロット(ナビリンク機能付)」

この機能は搭載してほしかった「2選」

シートベンチレーションの不採用

兄弟車のアウトランダー PHEVが2024年の改良でシートベンチレーションが搭載されたので、今回のエクストレイルでの採用を期待されていた方も多かったのではないでしょうか。でも、残念ながら不採用…。ライバルとなるハリアーやCX-60にも搭載されているので、これを理由に購入の選択肢から外れるなんてことも…。あるとかないとか。

参考出典「三菱自動車株式会社:アウトランダー PHEV 」
灯火類の一部がバルブ(豆球)のまま

エクステリアやインテリアの高級感や質感を大きく左右する灯火類ですが、今回のマイナーチェンジでも一部はバルブ(豆球)のままとなりました…。バルブ(豆球)のままで残ってしまったのは以下の3つ。

  • ナンバー灯
  • バックランプ
  • ルームランプ

軽自動車でもLED化が進んでいるので、エクストレイルのような車格でLED化が完遂されなかったのは、ちょっと…といった印象を受けざるを得ませんね。

まとめ-気になる価格は⁉-

NISMOとAUTECH SPORTS SPEC。意外にも走りの要素だけでなく、エクステリアやインテリアにも大きく違いが現れていましたね。
でも、ここで気になるのが、それぞれの価格ですよね。
価格については、各グレードで公平を期すために、標準車も含めてオプションを含めてイコールコンディションで比較してみました。

グレード車両本体価格特別塗装色
(プリズムホワイト)
追加オプションオプション合計合計価格
G e-4ORCE4,967,000円49,500円アダプティブLEDヘッドライトシステム
33,000円
BOSE Premium Sound System
132,000円
214,500円5,161,200円
NISMO Advanced Package e-4ORCE5,962,000円49,500円BOSE Premium Sound System
132,000円
181,500円6,143,500円
AUTECH SPORTS SPEC e-4ORCE5,901,500円49,500円BOSE Premium Sound System
132,000円
181,500円6,083,000円

ボディカラーは特別塗装色のプリズムホワイトで統一、追加オプションは標準のG e-4ORCEのみアダプティブヘッドライトシステムを追加オプション、後は3グレード共通でBOSE Premium Sound Systemのみを追加して比較してみました。

標準のG e-4ORCEと一番高いNISMO Advanced Package e-4ORCEの価格差は約100万円。NISMO Advanced Package e-4ORCEとAUTECH SPORTS SPEC e-4ORCEの価格差は60,500円

エクステリアやインテリア、走りのメカニズムなどの装備で、標準のG e-4ORCEとは価格に大きく開きがあります。
意外にも、NISMO Advanced Package e-4ORCEとAUTECH SPORTS SPEC e-4ORCEの価格差は60,500円であれば、NISMOはバーゲンプライスといってもいいかもしれません。

ただ、細かい補足ですが、NISMO Advanced Package e-4ORCEでは、パワーテールゲートは装着されるものの、足を入れると開閉するハンズフリー機能がなかったり、細かい装備の有無にも違いがあります。

いずれにしても、今回のエクストレイルは、標準グレードから見た目も内装もブラッシュアップされました。商品力が強化され、そこにNISMOとAUTECH SPORTS SPECといった走りにも拘るグレードが追加されました。

モータースポーツファンはもちろん、人とは見た目が被らない方がいい、所有満足感を上げたい、リセールを少しでも高くしたい、こういった方は一度試乗をしてから、どちらを選択するか検討してみてもいいかもしれません。

<エクストレイル NISMOにおすすめのホイール>
RAYS gramLIGHTS 57FXZ

「日産自動車株式会社:エクストレイル NISMORAYS gramLIGHTS 57FXZホイール装着例 」


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